エドロイ 10 TEXT
そんなバカな











いってきます、と。

口をついて出た言葉は取りかえしようがなかった。魔がさしたとしか言いようがない。そんな、家族や親しい相手に言うみたいに。そこが、自分の戻る場所であるみたいに。また、帰ってくるつもりでいるみたいに。
思われたのではないだろうかとか、思ってんのか自分とか、そんなバカな、とか。ぐるぐる考え始めた頭は、けれど聞こえてきた声に回転を止めた。

エドはドアノブを掴んだまま、思わず振り返った。

枕を両腕で抱きしめるようにして顔を埋め、目を閉じ。クリーム色の羽根布団の縁からはむき出しの肩をのぞかせて。



眠そうな声は、行っておいでとそう言った。













04.3.28
どこまで短い文章でエドロイらしさを出せるかチャレンジしてみました!そんなバカな!

7巻で師匠たちにエドが行ってきますって言ってて、なんか大佐にも言ってほしいと思いました。大佐のお家だと思います。